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【膣治療コラム】尿漏れは本当に手術で治るのか

  

日本の成人女性の内、4~3人に1人が排尿トラブルや悩みを抱え、中でも尿漏れは特に大きな割合を占めると言われています。しかし尿漏れには色々な原因があり、改善には症状に応じた適切な治療法や手術法を選択することが欠かせません。そこで、女性の尿漏れの原因と、様々な治療・手術の方法について徹底的に解説します。

尿漏れとは?

尿漏れの症状は大きく2種類

女性の尿漏れでは一般的に挙げられるものとして、大きく2つの症状があります。

まず1つめが「切迫性尿失禁」といわれるものです。

切迫性尿失禁とは、おしっこをしたいと感じてからトイレに行こうとしても、間に合わなくて尿が漏れてしまう症状です。

そしてもう1つの症状が、「腹圧性尿失禁」と呼ばれる症状です。

腹圧性尿失禁は、女性の尿漏れの中で最も多い症状といわれており、笑ったりくしゃみをしたり、また咳をしたり立ち上がったりと、お腹に力がかかった拍子に思わず起こってしまう尿漏れです。[※1]

尿漏れの原因を知っておこう

切迫性尿失禁の原因

切迫性尿失禁の原因は主として、尿をためておく袋である膀胱が縮小してしまっている状態が考えられます。

膀胱が縮んでしまう原因としては、脳の病気や脊髄の病気によって、膀胱の機能を司る神経などに異常を来している可能性が考えられますが、原因不明の場合も多く、きちんとした検査を受けなければなりません。また、加齢とともに症状が悪化するケースも少なくありません。[※2]

腹圧性尿失禁の原因

腹圧性尿失禁は、何らかの理由によって、膀胱や尿道を支えている骨盤底の筋肉(骨盤底筋)の力が低下したり傷ついてしまっていることで引き起こされるとされています。

骨盤底筋の機能が低下する原因としては、妊娠・出産、加齢、肥満、さらには手術など様々なものが考えられます。また、更年期にホルモンバランスが崩れて、症状が悪化するケースも珍しくありません。

腹圧性尿失禁の場合、症状の程度や原因によって治療法が異なるため、やはりまずは詳細に検査して状態を確かめることが不可欠です。[※2]

混合性尿失禁

尿漏れに悩んでいる女性の中には、切迫性尿失禁と腹圧性尿失禁の両方が複合的に発症しているケースもあります。

このような場合、切迫性尿失禁と腹圧性尿失禁のそれぞれの原因に対して適切なアプローチをしなければならず、泌尿器科専門の医師の指導の下でしっかりと治療計画を立てることが必要です。[※2]

その他の尿漏れ(溢流性尿失禁)

上記の原因の他にも、「尿閉」によって生じる溢流性尿失禁もあります。

尿閉とは、尿が全く出なくなったり、おしっこをしても残尿感が強くある状態で、原因としては排尿に関する筋肉の機能低下や尿道の閉塞、薬の副作用など様々なものが考えられます。[※3]

尿閉のような排尿機能の異常・障害が原因で引き起こされる溢流性尿失禁は、だらだらと尿が漏れてしまうことが特徴です。[※2]

尿漏れを治療するための方法

手術を用いない治療

薬物療法

通常、切迫性尿失禁や過剰な膀胱活動に対しては、膀胱の働きを安定させて膀胱の容量を増加させる抗コリン薬の投与が選択されます。

抗コリン薬には複数の種類がありますが、薬による効き方の違いや、視力障害や便秘、尿閉といった副作用が現れることもあり、使用前に患者の体質や病歴について正しく検査することが欠かせません。

また、腹圧性尿失禁についても、補助的な薬物療法が用いられることもあります。[※2]

運動療法・骨盤底筋訓練

運動や筋力トレーニングによって、意識的に骨盤底筋を強化することで尿漏れ症状の改善を目指します。ただし、正しく訓練しているにもかかわらず効果がない場合、薬物療法や手術を検討することも必要です。[※2]

補助器具

骨盤底筋が弱まって周辺の臓器を支えきれなくなった場合、子宮が膣内に落ちてきたり、膀胱が完全に垂れ下がったりといった「骨盤臓器脱」という症状が現れます。

そこで、落ちてしまった物理的に臓器を支えるため、軽度の患者では補助器具(ペッサリー)を膣内へ挿入することもあります。[※2]

この他、尿漏れパッドなどの補助用品を使用するといったこともあるでしょう。[※4]

手術による治療

尿漏れを治療する手術には、保険適応のものから自由診療のものまで複数あり、健康に問題がなければ高齢者でも可能ですが、いずれにしても妊娠・出産を予定している女性に対しては禁忌となっています。[※5]

TVT手術

TVT手術は1990年頃から行われている手術であり、ポリプロピレン繊維のテープを使って尿道を支えることで、腹圧性尿失禁の症状を改善させます。

保険適応で信頼性も高く、術後数日で退院しできるため、多くの医療機関で行われている手術法ですが、一方で膀胱穿刺や血管・腸管損傷といった合併症リスクも無視できません。[※2]

TOT手術

TOT手術は、TVT手術の合併症リスクを軽減するために考案された手術です。

TOT手術では、特殊な形状の器具を使い、両足の内ももの付け根と膣前壁にテープを通して固定します。手術時間が30分~1時間程度で、手術部位に重要な臓器が少ないためにTVT手術より安全性に配慮できる反面、支える力が弱いため、重篤な尿漏れ患者では効果が薄いこともあります。

また、神経損傷の恐れがあるなど、完全にノーリスクというわけではありません。なお、TOT手術は2012年9月より保険適応の手術として承認されました。[※5][※6]

TFS手術

TVTの効果とTOTの安全性を同時に得ようと開発されたのがTFS手術です。[※6][※7]

TFS手術では恥骨下の尿生殖隔膜にテープを固定するため、合併症リスクが低く重症患者でも治療できます。また、日帰り手術も可能です。

ただし、TFS手術は2019年時点ではまだ自由診療となっています。

仙骨神経刺激療法(SNM)

SNMとは、心臓のペースメーカーのような機器を体内に埋め込んで、電気刺激で膀胱の神経や機能をコントロールする手術法です。[※8]

2017年9月から保険適応となっており、切迫性尿失禁の重症患者でも改善効果があると期待されています。

レーザー治療(インティマレーザー)

膣からレーザーを照射して、尿道と膣壁のコラーゲン組織や筋肉細胞を活性化させることで、低下した骨盤底筋の機能を回復させて尿漏れを改善させる治療法です。

副作用がほとんどなく、施術時間も20分ほどですが、時間と共に治療効果が薄れることと、自由診療であるという点に注意しなければなりません。[※9]

新しい診療科「ウロギネコロジー」とは?

「ウロギネコロジー(女性泌尿器科)」とは、泌尿器科(ウロロジー)と婦人科(ギネコロジー)を組み合わせた造語であり、女性専門の泌尿器科です。

妊娠・出産や更年期といった、女性特有の原因による骨盤底筋の機能低下や排尿障害、さらには女性ホルモンや肉体的な特徴による排尿への影響などを総合的に扱う診療分野として、専門性の高い治療を提供しています。[※9][※10]

編集者後記

尿漏れには女性特有の原因や症状があり、またその内容や程度によって最適な治療法も変わっています。そのため、最初に原因や状態を確かめておかなければ、手術をしても期待通りの効果を得ることはできません。

また、手術には保険適応のものから自由診療のものまであり、効果やリスクも様々です。

そこで、まずは女性泌尿器科(ウロギネコロジー)や女性泌尿器科専門の医師がいる医療機関を受診して、詳しく検査をした上で、自分にとって最適な治療プランを立ててもらうようにしてください。

この記事をつくるのに参考にしたサイト・文献

[※1]:亀田グループ医療ポータルサイト,「女性の大敵!尿もれ」[online](http://www.kameda.com/patient/topic/urogynecology/03/index.html)(2019年10月2日参照)

[※2]:女性の健康推進室ヘルスケアラボ,「女性泌尿器疾患・骨盤臓器脱(尿もれ、頻尿、性器脱)」[online](http://w-health.jp/climacterium_trouble/pelvic_floor_disease/)(2019年10月2日参照)

[※3]:MSDマニュアル プロフェッショナル版,「尿閉」[online](https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%8A%E3%83%AB/03-%E6%B3%8C%E5%B0%BF%E5%99%A8%E7%96%BE%E6%82%A3/%E6%8E%92%E5%B0%BF%E9%9A%9C%E5%AE%B3/%E5%B0%BF%E9%96%89)(2019年10月2日参照)

[※4]:株式会社メディカル・タスクフォース公式サイト,「排尿機能関連|骨盤臓器脱用ペッサリー Milexペッサリー」[online](http://medical-taskforce.com/sp/item/details28.html?pc)(2019年10月2日参照)

[※5]:高知大学公式サイト,「高知大学医学部泌尿器科学講座」,「尿失禁根治手術 (TVT手術/TOT手術)」[online](http://www.kochi-ms.ac.jp/~hs_urol/diagnose_and_cure/cure/urinary_incontinence.html)(2019年10月2日参照)

[※6]:徳洲会グループ公式サイト,「病気の治療」[online](https://www.tokushukai.or.jp/treatment/urology/nyoushikkin.php)(2019年10月2日参照)

[※7]:女性医療クリニックLUNAグループ公式サイト,「TFS日帰り手術」[online](http://www.luna-clinic.jp/330/)(2019年10月2日参照)

[※8]西日本新聞(online版, 2018年1発29日付),「「尿漏れ」SNM手術に保険適用 自己負担6万円「うそのように楽になった」[online](https://www.nishinippon.co.jp/item/n/389873/)(2019年10月2日参照)

[※9]:セントソフィアクリニック婦人科・内科公式サイト,「ウロギネコロジー(女性泌尿器科)」[online](http://www.st-sophia.jp/gynecology_urogynecology.html)(2019年10月2日参照)

[※10]:亀田グループ医療ポータルサイト(ウロギネコロジーとは),「女性の悩みをズバリ解決!!ウロギネコロジー(ウロギネコロジーとは)」[online](http://www.kameda.com/patient/topic/urogynecology/index.html)(2019年10月2日参照)

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    引用元:
    みどり美容クリニック
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    引用元:
    銀座あゆみクリニック公式サイト
    https://www.ginza-ayumi-clinic.jp/clinic_information/doctor/index.html

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    • 対応施術:5種類
    • 住所:
      東京都中央区銀座3丁目2−11 GINZA SALONE 5F
    • 電話番号:
      03-3535-2020

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【膣縮小治療について】
膣縮小治療には、膣縮小手術、レーザーや超音波などをあてる治療、ヒアルロン酸や脂肪などを注入する治療といった方法があります。人によって適した治療方法が異なり、治療によって得られる効果も個人差があります。
膣縮小手術:メスを使って膣内の皮膚や粘膜を切除し、ゆるくなってしまった膣を縫い合わせる治療です。
レーザーや超音波などをあてる治療:膣内にレーザーや超音波などをあてることでコラーゲンの生成を促し血行を促進させ、膣壁をふっくらさせる治療です。
ヒアルロン酸や脂肪などを注入する治療:膣にヒアルロン酸や脂肪などを注入して膣のゆるみを解消する治療です。

【未承認機器について】
膣縮小治療で用いられるVタイトニングレーザー、モナリザタッチ、パールフィラー等一部の機器や医薬品は、厚生労働省の未承認のものとなります。どの機器を用いるかは、クリニックや治療の種類によりますので、入手経路や、諸外国における安全性、また同一性能を有する国内の承認医薬品等の有無など、ご不明な点については各医院・クリニックに直接ご確認をお願い致します。

【膣縮小治療の施術の費用や期間、リスク・副作用等について】
膣縮小治療は基本的に自由診療となるため、治療費は全額自己負担となります。
膣縮小治療の費用相場:膣縮小の施術は1回あたりの平均費用は200,000円~500,000円。症状によって治療内容が異なるため、費用も異なります。詳細はクリニックに直接お問い合わせください。
完了までの期間:治療方法によって完了までの期間は異なります。膣縮小手術は、1回の施術で半永久的な効果が期待できますが、手術になりますので約1か月ほどのダウンタイムがあります(個人の状態によりダウンタイム期間は異なります)レーザーや超音波などをあてる治療について、機器により治療期間や回数は異なります。ヒアルロン酸や脂肪などを注入する治療は、1回の施術で効果は現れやすいですが、個人差があります。
膣縮小治療のリスクや副作用:治療による、痛みや出血または内出血、施術直後の腫れや火傷などのリスクがあります。麻酔を行う際には、アレルギー症状が出る可能性もあり、また手術を行う場合には、傷跡が残る可能性もございます。くわしくは受診される医院・クリニックにご質問ください。