「膣が以前よりゆるくなった気がする」という悩みの中には、「膣から何か出ているように感じる」「膣に何か挟まっている感じがする」「下腹部や膣が重い」といった症状を伴うことがあります。
このような症状がある場合は、単純な膣のゆるみではなく、膀胱や子宮、直腸などの骨盤内の臓器が下がってくる「骨盤臓器脱」が関係している可能性もあります。
膣のゆるみと骨盤臓器脱は同じものではありません。骨盤臓器脱が疑われる場合には、自己判断で膣縮小手術やHIFU、レーザーなどの治療を選ぶのではなく、まず医療機関で状態を確認することが大切です。
この記事では、膣のゆるみと骨盤臓器脱の違いや、骨盤臓器脱でみられる症状、原因、検査・治療方法、何科に相談すればよいのかについて解説します。
「膣のゆるみ」は、膣の締まりが以前と違う、性交時の感覚が変わった、お風呂のお湯が膣に入るなど、本人が感じている変化を表す際によく使われる言葉です。
一方の骨盤臓器脱は、骨盤内の臓器を支えている組織の機能が低下し、膣壁や子宮などが下がってくる状態を指します。
| 比較項目 | 膣のゆるみ | 骨盤臓器脱 |
|---|---|---|
| 状態 | 膣の締まりや広がりについて感じる変化・悩み | 膣壁や子宮など骨盤内の組織・臓器が下垂している状態 |
| 主な自覚症状 | 締まりにくい感覚、お湯漏れ、性交時の感覚の変化など | 膣の異物感、下がってくる感じ、膣から何か出るなど |
| 尿・便に関する症状 | 伴うこともあるが、別の原因による場合もある | 尿漏れ、排尿困難、残尿感、排便困難などを伴う場合がある |
| 確認方法 | 症状や膣・骨盤底の状態などを診察して確認 | 問診や内診などで脱出している部位・程度を確認 |
| 治療 | 原因や症状によって異なる | 骨盤底筋訓練、ペッサリー、手術などが検討される |
「膣がゆるい気がする」という感覚だけで、骨盤臓器脱かどうかを自分で判断することはできません。
とくに「何かが下がってくる」「膣から何か出ている」といった症状がある場合は、骨盤臓器脱の可能性も含めて医療機関で確認してもらいましょう。
女性の骨盤内には、膀胱、子宮、直腸などの臓器があります。これらは骨盤底筋や靱帯、筋膜などの組織によって支えられています。
骨盤臓器脱は、こうした骨盤内臓器を支える仕組みが弱くなることで、膣壁や子宮などが本来の位置から下がってくる状態です。
日本産婦人科医会では、骨盤内臓器の支持機構が破綻すると膣壁が弛緩・下垂し、膀胱や子宮、直腸などが脱出することがあると説明しています。
「膣そのものが広がった」という問題だけではなく、膣を通して骨盤内の組織や臓器が下がっていることが、膣の違和感として感じられる場合があります。
骨盤臓器脱は、どの部分が下がっているかによっていくつかに分けられます。
そのため、「膣から何か出ている=子宮脱」とは限りません。
どの部分が下がっているのか、どの程度の脱出があるのかは、医師による診察で確認する必要があります。
骨盤臓器脱では、膣周辺に特徴的な違和感が現れることがあります。
日本泌尿器科学会では、骨盤臓器脱の症状として、何かが下りてくるような異物感、重い感じ、引っ張られる感じ、排尿・排便のしづらさなどを挙げています。
骨盤臓器脱では、膣の中に何かがあるような異物感や、何かが下へ引っ張られているような感覚が現れる場合があります。
「タンポンがずれているような感じ」「膣に何か挟まっている感じ」などとして自覚することも考えられます。
単純な「締まりが弱くなった」という感覚とは異なり、物理的に何かが下がってくる感覚がある場合は注意しましょう。
骨盤臓器脱が進行すると、膣口付近に下がってきた組織を触れる場合があります。
日本泌尿器科学会では、入浴中などに陰部へ「ピンポン玉のようなもの」を触れることで骨盤臓器脱に気づくケースがあると説明しています。
膣口から何か突出している場合や、これまでなかったふくらみに触れる場合は、自己判断で様子を見続けず、婦人科や女性泌尿器科・泌尿器科などへの相談を検討しましょう。
骨盤臓器脱では、朝はあまり気にならなくても、長時間立ったり歩いたりした後や、午後から夕方にかけて症状が強くなる場合があります。
日本泌尿器科学会でも、就寝中には脱が戻っていることがある一方、長時間立った後や歩いた後、午後になると症状が強くなる場合があると説明されています。
骨盤臓器脱は、膣の違和感だけでなく、尿や便に関する症状を伴う場合があります。
骨盤臓器脱がある方では、尿漏れや尿意切迫感などを伴う場合があります。
ただし、「尿漏れがある=骨盤臓器脱」「尿漏れがある=膣がゆるい」と単純に判断することはできません。
尿漏れには、咳やくしゃみなどで尿が漏れる腹圧性尿失禁や、突然強い尿意が起こり我慢できずに漏れる切迫性尿失禁など、複数のタイプがあります。
尿漏れも気になっている場合は、「膣を引き締めれば改善する」と自己判断せず、尿漏れの種類や骨盤底の状態を確認してもらいましょう。
骨盤臓器脱では、尿を出しにくく感じたり、排尿後も尿が残っているように感じたりすることがあります。
骨盤臓器脱の診察では、症状に応じて尿の勢いや量を調べる尿流測定、排尿後に膀胱内へ尿がどれくらい残っているかを確認する残尿測定などが行われる場合があります。
骨盤臓器脱では、脱出している部位などによって排便困難を伴う場合があります。
受診するときは膣の違和感だけではなく、尿漏れ・排尿・排便について困っていることも医師へ伝えることが大切です。
骨盤臓器脱には、一つだけではなく複数の要因が関係します。
妊娠や出産では骨盤底へ負担がかかります。とくに経腟分娩や出産回数は、骨盤臓器脱との関連が指摘されています。
日本泌尿器科学会・日本排尿機能学会の「女性下部尿路症状診療ガイドライン[第2版]」では、女性特有のリスク因子として分娩を挙げ、経腟分娩や出産回数と骨盤臓器脱との関連について解説しています。
ただし、経腟分娩を経験した方が必ず骨盤臓器脱になるわけではありません。
参照元:日本泌尿器科学会・日本排尿機能学会「女性下部尿路症状診療ガイドライン[第2版]」
年齢を重ねることも、骨盤底を支える組織の状態に影響します。
日本産婦人科医会では、骨盤底の弛緩に伴う骨盤臓器脱や下部尿路症状などは、更年期以降の女性で問題となることがあると説明しています。
若い年代では起こらないという意味ではありませんが、過去の出産などによる骨盤底への負担と、加齢に伴う変化などが複合的に関係する場合があります。
骨盤臓器脱には、出産や加齢だけでなく、骨盤底へ負担をかけるさまざまな要因が関連すると考えられています。
そのため、特定の一つの原因だけで骨盤臓器脱が起こるとは限りません。
「出産経験があるから骨盤臓器脱」「年齢を重ねたから骨盤臓器脱」と自己判断せず、症状がある場合は診察を受けて確認しましょう。
出産後に「膣の締まりが変わった」「お風呂のお湯が入りやすくなった」「性交時の感覚が変わった」と感じる方もいます。
しかし、産後に膣のゆるみを感じることと、骨盤臓器脱は同じではありません。
出産後には膣や骨盤底にさまざまな変化が生じるため、「ゆるく感じる」という症状だけで骨盤臓器脱とは判断できません。
一方で、次のような症状を伴っている場合は、骨盤臓器脱を含めて状態を確認してもらうことを検討しましょう。
骨盤臓器脱が疑われる場合、まず問診で現在困っている症状などを確認します。
受診前には、次のようなことを整理しておくと医師へ伝えやすくなります。
日本泌尿器科学会では、骨盤臓器脱の診察では問診に加えて内診を行い、咳をしたり力んだりした際の状態を確認し、骨盤臓器脱の種類や程度を評価すると説明しています。
必要に応じて、尿流測定や残尿測定、尿流動態検査など、排尿状態を確認する検査が行われる場合もあります。
自分で膣を触った感覚だけでは、どの部分が下がっているのか、どの程度なのかを判断することは難しいため、気になる症状がある場合は診察を受けましょう。
骨盤臓器脱の治療は、脱出の程度だけではなく、症状や日常生活への影響、年齢、全身状態などを踏まえて検討されます。
主な選択肢には、骨盤底筋訓練、ペッサリー、手術などがあります。
軽度の骨盤臓器脱では、骨盤底筋を鍛えるトレーニングによって症状の改善を目指す場合があります。
一方、日本泌尿器科学会では、中等度以上の骨盤臓器脱では骨盤底筋訓練による改善は得られにくいと説明しています。
「骨盤底筋を鍛えれば必ず元に戻る」と考えず、自分の状態に適した方法を医師と相談することが大切です。
ペッサリーは、膣内に器具を装着し、骨盤内臓器の脱出を抑える方法です。
手術を行わずに症状へ対応する選択肢となりますが、使用中は膣の状態を定期的に確認する必要があります。
脱出の程度が進んでいる場合や症状が強い場合などには、手術が検討されることがあります。
脱出している部位や程度、年齢、全身状態などによって治療方法が異なるため、医師と相談して治療方針を決めます。
参照元:日本泌尿器科学会「何かが下がってきた」
参照元:日本産婦人科医会「(1)骨盤臓器脱の治療方針は」
ここで注意したいのが、骨盤臓器脱を治療することと、美容婦人科などで行われる膣縮小治療は同じではないという点です。
膣縮小治療には、切開・縫縮による手術、HIFU、高周波、レーザー、注入治療などさまざまな方法があります。
一方、骨盤臓器脱では、どの臓器・膣壁が下がっているのかを診断し、その程度や症状に応じて骨盤底筋訓練、ペッサリー、手術などが検討されます。
そのため、膣から何か出ている、強い異物感があるといった症状に対して、「膣がゆるいから引き締めればよい」と自己判断して膣縮小治療を選ぶことは避けましょう。
まず婦人科や女性泌尿器科・泌尿器科などで状態を確認し、骨盤臓器脱などが関係していないか診てもらうことが大切です。
参照元:日本産婦人科医会「2.骨盤臓器脱」
参照元:日本泌尿器科学会「何かが下がってきた」
次のような症状がある場合は、自己判断で膣縮小治療を選ぶ前に医療機関へ相談しましょう。
なお、これらの項目に当てはまるからといって、必ず骨盤臓器脱というわけではありません。
症状だけでは判断できないため、気になる変化がある場合は診察を受けることが重要です。
「膣から何か出ている」「下がってくるような感じがする」など、骨盤臓器脱が疑われる症状がある場合は、婦人科や女性泌尿器科・泌尿器科などが相談先の候補になります。
骨盤臓器脱や尿漏れなど、婦人科と泌尿器科の両方に関連する骨盤底の症状を専門的に扱う「ウロギネコロジー」「女性骨盤底」などの診療領域を設けている医療機関もあります。
一方、医療機関で骨盤臓器脱などについて確認したうえで、「膣の締まりそのものについて相談したい」「膣縮小治療について知りたい」という場合には、婦人科形成や美容婦人科なども選択肢になります。
症状によって適した相談先が異なるため、まず自分が最も困っている症状を整理して医療機関を選びましょう。
骨盤臓器脱が疑われる場合は、まず婦人科や女性泌尿器科・泌尿器科などで状態を確認することが優先されます。
そのうえで、骨盤臓器脱ではなく膣のゆるみについて相談したい場合でも、クリニックによって診療体制や得意とする領域は異なります。
たとえば、膣のゆるみの背景には、出産後の組織の変化、骨盤底筋の機能低下、更年期に伴う膣の変化などが関係していることがあります。
相談先を選ぶ際は、施術メニューだけを見るのではなく、次のような点も確認してみましょう。
当サイトでは、膣縮小手術から切らない治療まで幅広く相談できるクリニック、産婦人科や形成外科の経験を生かして診察するクリニック、骨盤底や尿漏れも含めて相談できるクリニックなど、診療体制の異なる東京・神奈川の5院を紹介しています。
「骨盤臓器脱などではないと確認できたものの、膣のゆるみについてどこへ相談すればよいか分からない」という方は、それぞれのクリニックの診療体制を比較してみてください。
「膣がゆるい」と感じることと骨盤臓器脱は同じではありません。
骨盤臓器脱は、骨盤内の臓器を支える組織の機能が低下し、膣壁や子宮などが下垂している状態です。
膣の締まりについての感覚だけで骨盤臓器脱かどうかを判断することはできないため、膣から何か出る、下がる感じがするなどの症状がある場合は医療機関へ相談しましょう。
膣から何か出ている場合でも、必ずしも子宮脱とは限りません。
骨盤臓器脱には、子宮脱だけでなく、膀胱側の膣壁が下がる膀胱瘤や、直腸側の膣壁が下がる直腸瘤、子宮摘出後の膣断端脱などがあります。
どこが下がっているかは自己判断せず、婦人科や女性泌尿器科・泌尿器科などで確認してもらいましょう。
妊娠や経腟分娩は骨盤底へ負担をかける要因ですが、産後に膣の違和感があるだけで骨盤臓器脱とは判断できません。
膣の締まりの変化だけでなく、何かが下がってくる感覚や膣からの突出、排尿・排便のしづらさなどがある場合は、骨盤臓器脱を含めて診察を受けることを検討しましょう。
骨盤臓器脱だからといって、すべての方に手術が必要になるわけではありません。
症状や脱出の程度、日常生活への影響などに応じて、骨盤底筋訓練やペッサリーなどの保存的治療が選択される場合もあります。
治療方法は一人ひとり異なるため、診察を受けて医師と相談しましょう。
参照元:日本泌尿器科学会「何かが下がってきた」
参照元:日本産婦人科医会「(1)骨盤臓器脱の治療方針は」
骨盤臓器脱に対する治療と、美容・婦人科形成領域で行われる膣縮小治療は同じものではありません。
骨盤臓器脱では、下がっている部位や程度を確認したうえで、骨盤底筋訓練、ペッサリー、手術などが検討されます。
骨盤臓器脱が疑われる症状がある場合は、膣縮小治療を選ぶ前に婦人科や女性泌尿器科・泌尿器科などで診察を受けましょう。
膣のゆるみと骨盤臓器脱は同じものではありません。
「膣の締まりが変わった」という感覚だけであれば、出産後の組織の変化や骨盤底筋の機能など、さまざまな背景が考えられます。
一方で、膣から何か出る、何かが下がってくる、膣に物が挟まっているように感じるといった症状がある場合は、骨盤臓器脱が関係している可能性もあります。
また、骨盤臓器脱では尿漏れ、排尿困難、残尿感、排便困難などを伴う場合があります。
こうした症状がある場合は、「膣がゆるいから膣縮小治療を受けよう」と自己判断せず、まず婦人科や女性泌尿器科・泌尿器科などで状態を確認してもらうことが大切です。
診察の結果、骨盤臓器脱などではなく、膣のゆるみそのものについて相談したい場合は、クリニックによって診察方法や治療選択肢が異なるため、それぞれの特徴を比較して相談先を検討しましょう。
東京で膣縮小を相談できる
クリニック3選
みどり美容クリニック
治療方法の選択肢で選ぶなら
外科手術からレーザー・HIFUまで
幅広い方法から相談できる
満行みどり先生
引用元:
みどり美容クリニック
https://midocli.com/clinic/doctor/
なおえビューティー
クリニック
医師の専門性で選ぶなら
産婦人科と形成外科の経験を生かした
婦人科形成を相談できる
喜田直江先生
引用元:
なおえビューティークリニック
https://www.naoe-clinic.net/clinic/
銀座あゆみクリニック
診察・治療体制で選ぶなら
産婦人科の経験を持つ院長が
一人ひとりに合わせて治療を提案
増田あゆみ先生
引用元:
銀座あゆみクリニック公式サイト
https://ginza-ayumi-clinic.jp/about/clinic/